左手

彼は、怠け者である。

色々な事を怠けている自分の中で、

その中でも最も怠けている奴を探してみた所、

彼が推薦された。

推薦者は、右手である。

荷物が2つあるとき、彼が決まって軽い方を持つ。

重荷を背負うのは、いつも右手だ。

食器を洗うとき、彼はほぼ動かないでいる。

体力を消費するのは、いつも右手だ。

お尻を拭くとき、彼は宙に浮いている。

汚れ物を処理するのは、いつも右手だ。

彼を働かすと、すぐに弱音を吐く。

こいつが、黙って働くようになった時、

自分は怠け者から脱出できるのかもしれない。