降り注ぐ追想の淡雪

ONE PIECE 44 (ジャンプコミックス)

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大井町線から乗り換える間際でメリー号が出てきて、

長年自分と付き合ってきた自分は、

「これはやばいな!」とその時点で感づいていた。

田園都市線に乗り換え、地下に入ると同時に、

メリー号は儚く壊れていった。

地下の暗さを抜け、桜新町駅の明るさを迎えた時、

メリー号には追想の淡雪が降り注いでいた。

電車の中で少し泣いてしまった。

家でもう一度読み直し、こうなったら思いっきり泣いておくかと吹っ切れた。

枕を切り刻み、振りまくる。

その時、空中浮遊する綿のように、涙が出た。

何か溜まっていることもあるだろうが、吹っ切れた所がでかいのだろう。

正しい事を本気でして上げた時、人も物も言う言葉は「ありがとう」しかない。

そんな気がした。