連鎖
僕は、マッサージ店へと歩みを急ぐ。
3時から予約で、3時に出発。
ここが全ての原因だったのだろう。
自転車で行けば、2分で着く。
2分ぐらいの遅刻なら大丈夫だと思った。
しかし、残念な事に自転車の後輪は、既に死んでいた。
し、し、し、死んでる・・・。
仕方なく、徒歩と言う手段を講じる。
快調な足取り。
とても四捨五入して30の足取りとは思えない。
と、自分を無理やり奮い立たせ、歩みを急ぐ。
駅に近づき、私は過ちに気付く。
今日は、商店街の祭りだったのだ。
しかも、残念な事に芸能人が歌っている。
胸を張って、足を上げて、ワンツー♪ワンツー♪
と行きたい所だが、人の渋滞に見事にはまる。
それでも、一歩ずつ歩みを進めていたが、
なぜか進めなくなる。
なんと、進行方向の先頭のお婆ちゃんが、
チーター見たさに止まったのだ。
リバウンドを制すものは、ゲームを制す。
おばあちゃん、見事なスクリーンアウト。
どうにかおばあちゃんを退け、新たな流れを産み出す。
パイオニア・・・?
私の後ろにいる小学生が、完全に私に摑まった状態だ。
彼女達のためにも、何て責任感は全くなく、
ただマッサージ屋に行きたいがために歩みを進める。
渋滞を抜けると、そこは雪国・・・。
いや、フランクフルト屋であった。
しかも、おそろしく太い。
つい下ネタを言いたくなるような太さだ。
だが、そこは自制心で押さえ、歩みを進める。
友のために走るメロスを思い出す。
待たせている辛さってこういうことだろうか?
・・・きっと違うだろう。
マッサージ屋に着き、カードを出す。
すると、受付のおばちゃんが申し訳ない顔をする。
15分過ぎたので、担当者が予約の人ではなくなり、
時間も30分しかできなくなると説明される。
更なる説明を聞いていたのだが、いまいち意味がわからなくなる。
と言うことで、最終手段、とりあず帰るを選択する。
帰途、冷静になって考えると、マッサージ屋の説明に納得できなくなり、
物凄く文句の電話をかけたくなる。
あ〜オレだけど、今交通事故起こしちゃって500万ほど、
今からいう口座に振り込んで・・・。
とか考えながら歩いていると、カップルが前から歩いている。
女は、ヒステリックに言う。
「もう、あんな危ない所、2度と行かない!!
だって〜、あんな危ない所2度と行かない!!」
反復法はご存知。接続詞は知らず。
そんな女の惨めさに、怒りも消える。
4時半からバスケだから、その準備がゆっくりできるからいいや。
と、前向きに気持ちを持っていく。
いい気分で家路に着き、携帯を確認すると、
バスケ6時半から。
・・・。
・・・。
・・・。
最初の時点の私が悪いんです。
もう、時間ギリギリ行動しない!
だって〜、時間ギリギリ行動はしない!