タイムアウトは突然に

ダムダム。ダムダム。

体育館にボールが弾む音。

キュッキュッ。キュッキュッ。

体育館にバッシュが摩擦する音。

それと多少の掛け声や気にならない程度の私語。

音はそれだけだった。



突然、試合外の男2人が喧嘩を始める。

視線のベクトルが彼らに集中する。

なぜか、1人が得点を0に初期化する。

喧嘩は終わらない。

胸ぐらをつかみ合い、申し訳ない程度に設置された、

小ベランダ的なスペースに2人はなだれ込む。

「表に出ろ!」と言う言葉が交わされていたが、

その行為が正解なのかどうかは判断しがたいところだ。

2人と同時に、仲裁者も共に連れて行かれる。

そして、中心的な人物である初期化者が、

喧嘩を止めるのかと見せかけて、ただ扉を閉める。



一瞬、沈黙と言う音がなり、数秒後にクラッカーが配布される。

数分間の説明があり、また沈黙と言う音が鳴り響く。

扉が開くと共に、喧嘩野郎共が人間クラッカーとして初陣を切る。

それに続き、一人の主役withサングラスandバスローブandアフロが登場する。

沈黙は掻き消され、クラッカーの音が次から次へと鳴り響く。

クラッカーの煙が漂う中、ほとんどが数年ぶりの合唱が始まる。

Happy birthday to you〜♪



ちょっとした演出が、幸福感を増大させる。

ただ、今冷静に考えると、なんで得点を0にしたのだろう・・・?