披露宴

正直ビビッた。

料理や雰囲気も良かったのだが、

新婦の衣装チェンジには全くかなわなかった。

突然、ウェディングドレスで登場した新婦にただ目を奪われた。

初めて自分のなかに結婚願望が芽生えた。

主役はホワイトなのだと改めて認識した。

主役のホワイトと新郎によるキャンドルサービスを終えると、

いよいよ余興が始まった。

私と友達の歌は、2番目。

1番目がナチュラルにすべる事をただ祈った。

演目は、万歳30唱。

結果、バカ受け。

新婦のお父さんが、ノリノリだったのが最大の原因だろう。

温まった空気のなかで、歌う事になった私たち。

今度は、場違いでない視線がブルーに集中する。

その場で勢いで挨拶をする。

「ご新郎、ご新婦、ご結婚おめでとうございます。

ご新婦とは、会社の同期で、なぜか入社前から、

飲みやカラオケに一緒に行かせてもらいました。

なので、入社後あまりに中の良い私たちを見て、

同期の中ではご新婦が私のことを好きなのでは?

という噂が立ちました。

しかし、そんなことも気にせず結婚してしまい、

また、変化の激しいIT業界にいるからでしょうか?

時代と共に噂も変わり、

私がご新婦に振られた!と変わっていくのでした。

今日は、ご新婦に堂本強役を任されました。

キンキファンの人、ごめんなさい。」

我ながら、よく言えたものだ。

天才かも。

歌も無事に終え、安心していると、

新婦のお父さんが我々の席にきてボソッと、

「一人娘なんですよ。」

だから、あんなに明るく振舞っているのかと考えると、

ちょっと感慨深いものがあった。

最後のご新郎・ご新婦の退場時に、

新婦のお父さんが一生懸命笑いを取ろうと、

妻にちゅーをしているのが微笑ましかった。

しかし、そんな中私の目線は目の前で油断した美人女性の

チラリズムなんて知らないぐらいの大胆ポーズに向けられたのであった。

数分後、同期も同じものに目を奪われた事を知る。