守るべきものがある男
思いやりゾーンに乗っていた時の話だ。
名前の割には、思いやりが萎えるような混み様だった。
下北沢だっただろうか。
3人の電気街系の男が入ってきた。
見た目からほぼ電気街系なのは明らかなのだが、
携帯のメールの件名が【ぷよ】ぷよ限定だよ〜ん♪だった時、
私の自信は確信に変わったのであった。
【ぷよ】と言う表現は、周知のことを一応補足する感じなのだろうか?
【ふ】ざっけんなよ!
こんな感じ・・・?
3人のうちの一人はあからさまに太っていた。
それだけなら別に問題なかった。
しかし、彼には性格的に重大な落ち度があった。
自分の重さを省みず、全体重を人に預けてしまうのだ。
今回、その標的に見事選抜されたのが私である。
きっと、位置を変わればいいと思う人がいるだろう。
実際私もそう考えたのだ。
が、残念なことに体重のベクトルに小学生の女の子がいたのだ。
彼女は、つり革にも届かず、自分の足だけで立っていた。
思いやりゾーン。
母からの教え。
職業、塾の先生。
いろんな事が重なって、守ることを選んだ。
下北沢から渋谷の間、私は男であった。
あのデブ、いつか【ぶっ】ころ・・・。
教育者。教育者。