お土産

お前のために、チームがあるんじゃねぇ。

チームのために、お前がいるんだ。

という考え方からすると、

ストラップのために携帯があるんじゃねぇ。

携帯のために、ストラップがあるんだ。

という考えにはならないだろうか?

生徒の携帯を見て、ふと思ったのだ。

携帯よりも、ストラップの方が目立つというのは、

どこか不自然さを感じてしまう。

マウスの方がでかいノートパソコンと同じ不自然さだと思う。

思い切って多さの不自然さを指摘してみると、

3倍以上の少なさに対する叱咤に似たものが、

マシンガンのように私に返ってくる。

私は、避ける間もなく、ただそれに撃たれるのであった。

今、私の携帯には、ひも状のものが申し訳なさそうにぶら下がっている。

以前は、その先に縁結びのお守りが付いていた。

合格鉛筆を買いに、湯島天神に行くと、そのお守りが売っていた。

値段は覚えていないが、私は巫女の前で、不思議な費用対効果の計算を始めた。

この値段で、縁が帰るのであれば、縁安・ドル高だ。

結論も不思議なのだが、私の購買意欲への根拠には十分であった。

しばらくつけていたその縁安のお守りは、何も結ばないうちに、姿を消した。

縁騰落。

修学旅行の時期になり、なぜかお土産の話が出てくる。

一番生意気な集団が、私に縁結びのお守りを買ってきてくれるらしい。

なぜか縁騰落の話を知っている生徒の母親は、

私に保母さんなら紹介できると言っている。

私にもプライドがあるので、是非お願いしたい。