スペースをつけ

二子玉川大井町線に乗り込むと、一気にそこは戦場と化す。

いすとりゲームでここまで白熱することはめったにないだろう。

大して座りたい欲のない私は、飄々とした面持ちで乗り込む。

自分の目の前に、中途半端なスペースが生まれる。

変なおっさんが、少し右に寄れば1人分のスペースは十分に取れる。

多少のムカつきと、FW的な考えのある(FW敵な技術はない)私のなかで、

天使とも悪魔ともいえない生物が、スペースを埋めろ!!と指令を下す。

素直に従い、その前の椅子に座り込むと、男が動こうとしない。

もし、この動こうとしない男がエクセルだったら、私は既にマウスを投げつけていただろう。

私は立ち上がり、女性がそのスペースを埋めに果敢にアタックした。

すると、男は動いたのだ。

この男をタスクマネージャーから消してやりたいと本気で思った。

女性のどーもの声に、その強制終了候補の男は、エセ紳士の微笑を返した。

この紳士に私は心の中で叫んだ。

紳士は、ウンコしねぇんだぞ!!

・・・。

間違いとは知りつつも抵抗したい年頃、27歳夏、快便・・・。