罪人

元町・中華街の駅に降り立つと、

小さい頃18時半ぐらいにやっていたロボットアニメを思い出す。

何となくワクワクさせるのだ。

それとは裏腹に、降り立った理由は気分を消沈させる。

理由は、定例の研修である。

研修内容自体は、そんなに悪くない。

少しやる気のメータが上がったりもする。

だから、きっと・・・・!と思って、脳内メーカをやり直すと、

結果は期待をあざ笑うかのように、前と一緒だったりする。

でも、朝から研修は憂鬱なMONDAYである。

おもちゃに「大人の」が付くとエロスに聞こえるように、

「朝から」が付くと憂鬱を感じさせる。

そして、全身で憂鬱を表現する私、27歳。

研修会場に着き、特に何もせずに会が始まる。

途中から来た先輩社員が、私の隣に座る。

しばらくして、横を見ると、具合が悪そうな先輩社員が見える。

「寒くない?」と言われたので、特に何も感じてなかったのだが、

「寒いですね。」と返して、会話を終える。

本当に寒そうにしている先輩社員を見て、

「この人は、本当に寒いのだな。」と思う。それだけ・・・。

無関心は罪である。しかし、私は罪を繰り返す。

会が終わり、寒くて苦しんでいた先輩社員は解放された。

物凄く具合が悪そうな先輩社員を見て、「寝たほうがいいよ。」と思ったので、

そっと背中に「ラリホー」と唱えてあげた。

しばらくして、私が眠くなったのは、きっと彼女がマホカンタを使っていたからだろう。

いつもの駅に帰り、ニンニク味のラーメンを食し、

何が折角なのかわからないが、「折角だから」とつぶやいて、

口臭を街に撒き散らす。プールでおしっこするよりは罪は軽い。

仕事場にかえり、のほほんと過ごしていると、授業の時間になる。

授業に入る必要もないのに、授業に入る。

最初の方に勝っちゃって、でもまだジャンケンに入りたい感情に似ている。

授業も終わり、講師も生徒も帰り、1人で来週のシフトを作成する。

なんだか何もしていない気になる。勤労の義務を怠ったのでは・・・と。

罪を重ねた私は反省もせずに、「明日があるさ」と言う言葉に乖離する。

明日は、溌剌としたサラリーマンになるため、「昼から」活動しようと思う。