雨のち晴れ

5月17日。

今日は雨。

泣きつかれて寝てしまったようだ。

屋根がないダンボールでは、雨はしのげない。

「犬だって、雨に濡れたい夜はあるんだよ・・・。」

シロは、そう思った。・・・朝だった。

寂しい・・・だから、叫んだ。

どうせ、ワンとしか聞こえないのなら、

心の底からワンと言ってやる〜

という思いを込めて、ワンと叫んだ。

叫んだ。

叫んだ。

叫んだ。

叫んだ。

叫んだ。

疲れた。

寝た。

・・・。

雨の音で目が覚めた。

・・・?

だけど、濡れない・・・。

あっ、傘だ。

驚いて、ダンボールから顔をだすと、パパがいた。

みんなもいた。

・・・シロは死を覚悟した。

走馬灯のように、幸せだった時が駆け巡り、

フランダースのように、天使さんと一緒に天国へ行くのだ。

パパ、ママ、みんな、今までありがとう。

シロは幸せでした。

シロはあきらめ、寝た。

ただ、パパとママが大量に持っているあれが気になった。