手術後

手術後はあまり記憶がなく、気付いたらベッドの上にいました。

とりあえず、腰が痛いのに気付き、寝返りを打ってみると、

今度は傷口が痛く、そのままの体勢でいるとやっぱり腰が痛く、

正解がわからないのに、ナースコールボタンを押してしまいました。

すぐ来てくれた白衣の天使に

「腰が痛いんですけど・・・。」

と伝えると、

「寝返りをうってみてください。」
とエンジェルスマイルで返答。

それ、不正解!

と思いつつも、スマイル0円に騙され、

「やってみます。」

とつい言ってしまう。

しょうがなく、腰に枕を敷く、無理やり寝返りをうつなど

自分で対策を講じてみますが、どれをしても傷口は痛むので、

最終的には忘れると言う対策で落ち着くことに。

そのまましばらく寝てしまい、起きるとやっぱり腰が痛く、

しばらくもがき苦しんでいると、ナースさん登場。

早く治るには歩き回ったほうがいいらしいとのことで、

リーサルウェポンについた管を抜いてもらいました。

「ちょっと痛いですよ。」

とかわいく言うナース。

ちょっとってかわいく言うから、油断していると、

テュポーン

ってかわいい感じで抜けた割りに、かわいくない痛みが全身を走る。

痛みの後に残るのは、何かわからないもどかしさ。

回転寿司で標的にしていたネタが目の前の客にとられた時のもどかしさが

しばらく続く。

インフロントオブ白衣の天使。

天使は管を右手に、もどかしさに打ちぬかれた僕を見てただ笑っている。

「大丈夫ですか?」と聞くナースに駄目とは言えず、

「僕はいつでも大丈夫です。」と意味不明な答えをする。

その日は、もどかしさを抱えたまま、歩き回るのでした。