教室のシンデレラ
私の教室には、「シンデレラ」がいる。
「思い込み」という言葉は、彼女を描写するには弱すぎる。
「思い込メスト」と、最上級にしても、まだまだ力は足りない。
彼女は、「仮想現実」の中にいる。
決して、「バーチャルリアリティ」と言ってはいけない。
なぜなら、その言葉は英語だからである。
彼女は、英語が大好物である。
英語の話を出した途端、マシンガンの引き金が引かれる。
世間では、これを「自慢話」と言う。
彼女は、困ったことに私を「mine」と言う言葉で表現した。
もし、この時母親に「何か欲しいものある?なんでも言いなさい。」
と言われたら、「拒否権」と答えるだろう。
彼女の放った言葉に「ゾッ」とした。
「恋は早い者勝ちだぞ!」
・・・。
周囲が一気に凍りついた。
全員が「指名手配」された気分を味わった。
「ぞ!」という、おそらく終助詞が、
前の言葉に比べ、強さも高さもアップしていた。
その「ぞ!」に、「ゾッ」とした。
馬車はいつになったら迎えに来るのだろう・・・。