共存

「親からもらった体に傷をつけるなんて・・・」と、

ピアス穴あけイベントで盛り上がる中学生の女子を見て

思わなくなったのは、いつからだろうか?

そして、私は今日そんな体を傷つけたのであった。

「肉、削っときましたから!」

そんな言葉をあっさり吐く歯科医に私の親など関係ないのだ。

親知らずとはこういうことだったのか!

てっきり抜くものだと思っていた親知らずは、

どうやら現代文の問題提起のような大げさな痛みを与えたわりに、

結論は共存するということでおさまったらしい。

しかし、共存にはさらなる痛みが伴うことを私は知った。

正午頃、私は涙を流し、失恋でもないのに、

何かを忘れがたいために、ひたすら掃除機をかけたのでした。

明日も早い。

親からもらったからだ少しいたわってやらねば・・・。